実測ラボ

コスパの良いAI APIランキング12選|同じ仕事で111倍の差がついた(2026年8月)

「AIのAPI、どれが一番安いのか」を調べても、出てくるのは100万トークンあたり$2という単価表ばかりです。それで実際いくら払うことになるのかが分かりません。

そこで、月に処理する文字数を決めて、主要12モデルの月額を計算して並べました。

結論:1位と12位で111倍

条件:日本語で月に入力100万文字・出力20万文字を処理する場合

順位 モデル 提供元 月額 1位との差
1位 gemini-2.5-flash-lite Google 18円
2位 gpt-5.6-luna OpenAI 45円 2.4倍
3位 gemini-3.5-flash-lite Google 82円 4.4倍
4位 gemini-3.7-flash Google 154円 8.3倍
5位 Claude Haiku 4.5 Anthropic 205円 11.1倍
6位 gemini-3.5-flash Google 339円 18.3倍
7位 Claude Sonnet 5 Anthropic 411円 22.2倍
8位 gpt-5.6-terra OpenAI 452円 24.4倍
9位 gpt-5.3-codex OpenAI 467円 25.3倍
10位 gpt-5.6-sol OpenAI 822円 44.4倍
11位 Claude Opus 5 Anthropic 1,027円 55.5倍
12位 Claude Fable 5 Anthropic 2,055円 111.1倍

同じ量の仕事で、月18円と月2,055円。 これが単価表からは見えない差です。

1位:gemini-2.5-flash-lite(月18円)

入力$0.10・出力$0.40と、12モデル中で最安です。2位のgpt-5.6-lunaの半額以下。

分類・タグ付け・簡単な抽出のように、判断の難易度が低くて量が多い処理なら、これで十分足りる場面が多くあります。無料枠も用意されています。

ただし複雑な推論や長文の執筆には向きません。安さだけで全部これにすると、精度不足を人間が補うことになり、結局高くつきます。

2位:gpt-5.6-luna(月45円)

入力$0.20・出力$1.20。OpenAI系では圧倒的に安く、GPTの使い勝手を保ったまま費用を抑えたい場合の第一候補です。

上位モデルのgpt-5.6-sol(10位・822円)と比べると18倍安い。同じOpenAIの中でこれだけ開きがあります。

3位:gemini-3.5-flash-lite(月82円)

入力$0.30・出力$2.50。1位より高性能な処理に対応しつつ、100円を切ります。

用途で順位は変わる

上のランキングは「入力100万字・出力20万字」という一般的な比率での結果です。使い方が偏ると順位も変わります。

要約・分類が中心の場合(入力500万字・出力10万字)

長い文章を読ませて、短い答えを返させる使い方です。

順位 モデル 月額
1位 gemini-2.5-flash-lite 55円
2位 gpt-5.6-luna 115円
3位 gemini-3.5-flash-lite 180円
7位 gpt-5.3-codex 1,043円
8位 Claude Sonnet 5 1,130円

gpt-5.3-codexがClaude Sonnet 5を追い抜いています(標準では9位で負けていた)。入力単価が安いモデルが有利になるためです。

記事生成・コード生成が中心の場合(入力10万字・出力100万字)

短い指示から長い文章を書かせる使い方です。

順位 モデル 月額
1位 gemini-2.5-flash-lite 42円
2位 gpt-5.6-luna 125円
3位 gemini-3.5-flash-lite 260円
7位 Claude Sonnet 5 1,048円
9位 gpt-5.3-codex 1,456円

今度は逆に、gpt-5.3-codexがClaude Sonnet 5に負けます。出力単価が効いてくるためです。

自分の使い方がどちらに寄っているかで、選ぶべきモデルが変わります。

費用を下げる一番簡単な方法

ランキングを見ると分かりますが、出力の単価は入力の5〜6倍に設定されています。

つまりモデルを乗り換えるより先に、出力を短くするほうが効きます。プロンプトに「簡潔に答えて」「結論だけ」と1行足すだけで、請求額は下がります。コードの変更もモデルの変更も不要です。

とくに生成中心の使い方をしている場合、ここが最も費用を圧迫しています。

自分の文字数で計算する

上のランキングは特定の条件での結果です。自分の実際の処理量を入れて確認してください。

順位モデル月額

為替は目安です。実際の請求はドル建てで、カード会社の換算レートが適用されます。

計算の前提

トークン係数は実測値

日本語の「1トークン=1.46文字」は推定ではなく実測値です。同じ内容の日本語文と英語文を3組(技術文書・説明文・会話)用意し、tiktoken 0.14.0 の o200k_base で数えました。

言語 1トークンあたり
日本語 1.46文字
英語 4.83文字

日本語は英語の約3.3倍の文字数がトークンに換算されます。 つまり公式の単価表は英語圏基準の数字として読む必要があります。測定の詳細と再現用スクリプトはこちらの記事に掲載しています。

誤差が出る条件

  • コードや英数字が多い文章 — 英語寄りになりトークン数は減ります
  • 絵文字や特殊記号が多い文章 — トークン数は増えます
  • Anthropic・Googleのモデル — 本ランキングはOpenAIのトークナイザーで測った係数を全モデルに適用しています。各社のトークナイザーは異なるため、Anthropic・Googleの金額は目安です(未検証)

とくにAnthropicは、公式ドキュメントでClaude 4.7以降の新トークナイザーが同じテキストで約30%多いトークンを生成すると明記しています。Claude Opus 5・Sonnet 5を検討する場合は、上記に3割上乗せして見積もるのが安全です。

期限つきの価格に注意

ランキング4位のgemini-3.7-flashは2026年12月31日までの期間限定価格です。2027年1月1日から入力$1.50・出力$7.50、つまりちょうど2倍になります。月154円が月308円に変わり、順位も下がります。

10位のgpt-5.6-solも、公式に「2026年11月21日まで」とプロモーション価格である旨が記載されています。

一方でAnthropicは、Claude Sonnet 5について2026年9月1日に予定していた値上げを撤回し、$2/$10を標準価格にしたと明記しています。

年間の予算を組む場合、ランキング上位が来年も上位とは限りません。

高いモデルを選ぶ意味がある場合

本ランキングは価格だけで並べたものです。出力の品質は測定していません(未検証)。

12位のClaude Fable 5が1位の111倍だからといって、無駄に高いわけではありません。難易度の高い推論や長文の一貫性が求められる用途では、安いモデルでは処理しきれず、結果を人間が直す手間が発生します。

判断の目安

  • 分類・抽出・タグ付けなど、正解が明確で量が多い → 1〜3位で足ります
  • 顧客に見せる文章、複雑な判断を伴う処理 → 上位モデルの検討価値があります
  • まず安いモデルで試し、精度が足りなければ上げる — 逆順にすると払いすぎに気づけません

注記

  • 料金は2026年8月25日時点で各社公式ページに掲載されていた数値です
  • 為替は1USD=150円で単純換算しています。実際の請求額はカード会社のレートによります
  • キャッシュ、バッチ処理、長コンテキストの割増は含めていません。実際の請求はこれらの影響を受けます
  • 出力品質・応答速度は本記事では検証していません(未検証